「亡くなってもいいから、一度家に帰りたい」。母親の切なる願いをかなえるべく準備に奔走していた城野様。しかし、実現する寸前に亡くなられてしまったお母様。そんな城野様の無念の思いに、グローバルケアは寄り添えたのでしょうか。お話を伺ってきました。

この度はお母様ご愁傷様でございました。お母様がお亡くなりになった経緯について少しお聞かせいただけますか。

以前から母は心臓に疾患を抱えていました。ペースメーカを入れていて、何度も倒れて入院を繰り返していました。ある時具合が悪いというので、六本木にある病院に入院したのですが、その際に病院からは「コロナ禍の最中で、元のような生活はできない」と言われてしまいました。私は、それはもう家には戻れないということのように感じました。

一回家に戻して、そこから療養所に入れることはできません。そのため、病院からある施設に直接行くという話になりました。その施設は24時間看護師がいる老人施設。母は「一度自宅に帰りたい」と何度も懇願してきたのですが、結局家に帰ることはかなわず、その施設に直接入所することになったのです。母は温泉とお風呂が大好きで、一人で元気に生活していたころはいろいろな温泉を飛び回っていたのです。そんな人が施設に入り、行動も制限されてしまったため、メンタル面をやられて、見る間に衰弱をしていってしましまいた。施設からは、母が書いた「閉じ込められた場所から出し欲しい」「死んでもいいから家に帰してほしい」というファックスが何度も送られてきました。

 そんな母の姿を見かねて、兄弟で話し合いを持つことになりました。私は、母があと10年も20年も寿命があるわけないですし、何とか家に帰してあげたかった。とはいえ、母親は入所する際に、暮らしていた部屋も解約してしまったため、退院しても居場所がありません。兄からは「母親誰が見るのだ？」などと言われましたが、母が帰ってきてからのケア体制などをしっかり説明して、兄にも了解を得ることができたのです。

 母の帰宅を水面下で進めたものの、母の衰弱は日に日にひどくなってきました。結局、あまりにも状態が悪いので、施設の主治医が「元々入院していた病院に戻した方が良い」ということになり、戻ることにはなったのですが、結局、そこに戻って亡くなりました。最後まで家に帰してあげることはできませんでした。

お母様を家に帰してあげられず、城野様もさぞや無念だったことかと。そんな中、葬儀社はどのように探されたのでしょうか。

兄は少し気難しいところもあって葬儀に関しては内容も含めて少し心配していたのですが、兄からは「とても良い葬儀だった」と言われて安心しました。内容について全く不満もありませんし、とても良くやっていただいたと思っています。温泉が好きだった母。葬儀では、そんな母のことを思い出させてくださるかのように、グローバルケアさんから手作りの「草津温泉宿泊券」のプレゼントがありました。こちらの気持ちを慮っていただいた、究極の贈り物だととても感激いたしました。

 兄は「費用はいくらかってもいいから、しっかりした葬儀をしてあげよう」という気持ちが強く、正直葬儀費用についてはあまり気にしませんでした。最後のお別れのイベントじゃないですか。これまで母が私たちに注いでくれていた愛情に対して「いかに感謝を返せるか」。葬儀はそういうものだと思います。グローバルケアさんには、本当によくやっていただきました。

グローバルケアの実際の葬儀はいかがでしたか。

コロナで参列していただける方も少ないと思ったので、小規模な葬儀を予定していました。しかし、予定以上の方に来ていただけて、当初の予定が狂ってしまったのです。“困ったな”という事態になっても、上原さんは「はい、大丈夫です」といって、すぐに対応してくださいました。葬儀全般を通して、どんなことをお願いしても、常に“やさしいお父さん”のように対応していただけました。

実際の葬儀は当初予想していたイメージ以上でした。葬儀というと、どうしたらいいのか？という不安が大きいのですが、上原さんは、私たちの不安な気持ちを払しょくするような感じで、いつも先回りして、しっかり私たちに寄り添い、サポートしてくださいました。本当にありがたかったです。非の打ちどころがないです。上原さんとはきっとご縁があったのだと思います。

生前のお母様がおっしゃったことで心に残っている言葉などはありますか。

母はよく「人にやってきたことが今の自分を作ってきたので、他人には良くしなさい」と話していました。今、自分で仕事をしてみて、母が言っていたことは本当にそうだなと思っています。

本日は貴重なお話し誠にありがとうございました。